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税効果会計の注記情報に関する実態分析
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
米谷 健司
2019年4月
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2022年3月
課題番号:19K01980
配分額:3510000円
(
直接経費:2700000円
、
間接経費:810000円
)
本研究の目的は、税効果会計の注記情報を分析することにより、当該情報が投資家の立場から有用な情報であるのか否かを明らかにするとともに、当該情報から日本企業の税務計画(タックス・プランニング)の実態を浮き彫りにすることである。日本の税効果会計実務は、1998年10月に企業会計審議会から公表された『税効果会計に係る会計基準』と、その後に日本公認会計士協会から公表された実務指針をもとに行われてきたが、その後、2015年12月には企業会計基準適用指針26号『繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針』が公表され、さらに2018年2月には企業会計基準28号『「税効果会計に係る会計基準」の一部改正』や企業会計基準適用指針 28 号『税効果会計に係る会計基準の適用指針』などが公表された。こうした基準等の改正の背景には、財務諸表利用者が税効果会計の開示内容に満足していない現状があると考えられる。その結果、2015年以降の改正では、注記内容の充実化が図られており、評価性引当額や繰越欠損金の詳細情報が追加的に開示されるようになっている。そのほか、税効果会計の表示についても、これまでは繰延税金資産及び負債を流動項目と固定項目にそれぞれ区別して表示していたが、国際財務報告基準や米国の会計基準と同様に、固定項目の区分に一括して表示することになった。 既に2000年から2013年までの東証上場企業(個別決算のみ)を手入力によりデータベースを構築しているが、2019年度及び2020年度の研究においては分析対象期間を拡張し、直近のサンプルまでデータベースを拡充した。また、2019年3月期及び2020年3月期に決算情報を公表した企業を対象に開示内容の変化を分析した。
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非財務情報の重要性分析と企業評価
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
伊藤 邦雄, 中野 誠, 田中 優希, 伊藤 健顕, 中條 祐介, 金 鉉玉, 鈴木 智大, 河内山 拓磨, 加賀谷 哲之, 野間 幹晴, 円谷 昭一, 米谷 健司
2018年4月
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2021年3月
課題番号:18H00911
配分額:17420000円
(
直接経費:13400000円
、
間接経費:4020000円
)
本研究の狙いは,企業と投資家との重要なやり取りやその結果が公表される機会や媒体に注目し,非財務情報の重要性を検討することにある。このため,本研究は(1)企業財務責任者に対するサーベイ調査,(2)企業担当者や金融市場関係者に対するインタビュー調査,(3)テキストマイニングを含むアーカイバルデータを活用した統計分析を実施し,非財務情報の開示実態や非財務情報をめぐる企業と資本市場の見解や姿勢について検討した。これらの検討を通じて,非財務情報上の開示の在り方や持続的な企業価値創造との関係性について整理した。
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企業の税負担削減行動の決定要因に関する研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
米谷 健司
2016年4月
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2019年3月
課題番号:16K03976
配分額:3250000円
(
直接経費:2500000円
、
間接経費:750000円
)
本研究では、企業の税負担削減行動の指標である短期のCurrent ETRと長期のCurrent ETRを利用して日本企業がどの程度税負担削減行動を行っているのかを分析した。分析の結果、短期のCurrent ETRと長期のCurrent ETRの分布に大きな差異はないことが明らかになった。また、Current ETRの低い企業はそれが高い企業に比べて持続性が高いことが明らかになった。これらの証拠は日本企業の多くはCurrent ETRが低い企業であったとしても税負担削減行動を積極的には行っているわけではないということを示唆する。
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ディスクロージャー制度の再設計 -持続的な価値創造に資する企業報告のあり方
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
伊藤 邦雄, 中條 祐介, 中野 誠, 加賀谷 哲之, 河内山 拓磨, 田中 優希, 伊藤 健顕, 浅野 敬志, 金 鉉玉, 鈴木 智大, 野間 幹晴, 円谷 昭一, 米谷 健司, 越智 学, 高橋 由香里
2015年4月
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2018年3月
課題番号:15H03398
配分額:15340000円
(
直接経費:11800000円
、
間接経費:3540000円
)
本研究の狙いは、日本におけるディスクロージャー制度が企業価値に与える影響を検討したうえで、ディスクロージャー制度の再設計に資する実証的な証拠を蓄積することにある。このため、我々は(1)企業財務責任者(CFO)に対するサーベイ調査、(2)企業担当者や金融市場・政府関係者に対するインタビュー調査、(3)アーカイバルデータを活用した統計分析などを実施し、ディスクロージャー制度やそれと深く関係するコーポレートガバナンスの枠組みや姿勢が企業価値に与える影響を検討した。これらの検討を通じて、非財務情報の開示の在り方や重複がある情報開示制度の役割や統合の在り方についてを整理した。
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経済社会のダイナミズムと会計制度のパラダイム転換に関する総合研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
河崎 照行, 平賀 正剛, 大塚 成男, 佐藤 信彦, 小津 稚加子, 中條 祐介, 梅原 秀継, 菅原 智, 坂上 学, 町田 祥弘, 林 隆敏, 齊野 純子, 太田 康広, 角ヶ谷 典幸, 加賀谷 哲之, 倉田 幸路, 円谷 昭一, 米谷 健司, 上野 隆也
2015年4月
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2018年3月
課題番号:15H03404
配分額:14430000円
(
直接経費:11100000円
、
間接経費:3330000円
)
本研究課題では、会計理論、会計文化論、社会学、監査論、実証研究といった視点から、経済社会のダイナミズムに対応したわが国の会計制度のあり方を、総合的に研究した。
具体的な研究成果は、次の通りである。(1)会計理論(会計基準)の変化では、会計概念の変化の特徴を鮮明にした。(2)会計制度のパラダイム転換では、中小企業会計制度は国際会計基準(IFRS)の影響を受けるべきではないという結論に至った。(3)監査制度のパラダイム転換では、監査データの標準化および保証業務の多様性に関する議論をとりまとめた。(4)パラダイム転換期における企業の会計行動では、会計規制のあり方に関する議論をとりまとめた。
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会計利益と課税所得の一致性が利益の質に与える影響に関する国際比較
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
米谷 健司
2013年4月
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2016年3月
課題番号:25380589
配分額:3250000円
(
直接経費:2500000円
、
間接経費:750000円
)
本研究の目的は、会計利益と課税所得の一致性が利益の質に与える影響を分析することにある。会計利益と課税所得の一致性をAtwood et al.(2010)に基づいて国・年ごとに推定した。また、利益の質の指標として、利益平準化、短期的な会計発生高の見積誤差、裁量的会計発生高の絶対値などを取り上げた。分析の結果、会計利益と課税所得の一致性の水準が高いほど、利益平準化の程度が高く、短期的な会計発生高の見積誤差や裁量的会計発生高の絶対値の程度は小さいことが明らかになった。
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国際的なリスク・エクスポージャーと最適開示の制度設計に関する総合的研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
與三野 禎倫, 岸田 雅雄, 古賀 智敏, 田中 建二, 五十嵐 則夫, 菊谷 正人, 堀江 正之, 池田 公司, 古澄 英男, 一高 龍司, 安井 一浩, 大沼 宏, 櫻田 譲, 加賀谷 哲之, 矢澤 憲一, 米谷 健司, 姚 俊, 岡本 紀明, 島永 和幸, 付 馨, 近藤 汐美
2011年11月
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2014年3月
課題番号:23243060
配分額:28990000円
(
直接経費:22300000円
、
間接経費:6690000円
)
本事業は、 とくに現在、リスク情報の拡充開示という市場の要請がある経済環境の下、どのように財務報告の制度設計が指向されているか、さらに国際的に事業活動を展開する企業は市場環境の変容にどのように対応しているかについて、第一に(1)財務会計制度の設計、(2) 監査・保証制度の設計、及び(3) 課税制度設計という3つの側面から理論的・制度的な枠組みを総合的に検討した。第二に、これらの理論的・制度的な検討を基礎として実証研究を実践した。
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株式市場における税金情報の有用性に関する実証分析
日本学術振興会
科学研究費助成事業 若手研究(B)
米谷 健司
2011年
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2012年
課題番号:23730426
配分額:1690000円
(
直接経費:1300000円
、
間接経費:390000円
)
本研究は税金情報の有用性を分析し、その結果、主として次の3点を明らかにした。第1に経営者は予想利益を達成するための手段として繰延税金資産に係る評価性引当額を利用している可能性があることを発見した。第2に著しく正(または負)の会計利益と課税所得の差額は利益平準化行動に起因する可能性があることを示した。第3に日本の株式市場は利益の質に関する指標として税金情報を織り込んでいることが示された。
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企業の税務活動が財務報告に与える影響に関する実証研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業 若手研究(B)
米谷 健司
2009年
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2010年
課題番号:21730371
配分額:2470000円
(
直接経費:1900000円
、
間接経費:570000円
)
本研究では財務報告に与える税務活動の影響について分析を行った。その結果、主に2つのことが明らかとなった。1つは、実効税率の変化は将来の利益に対して持続的であり、株価はその持続性を完全には反映していないということである。いま1つは、企業は税便益(例えば、研究開発の税額控除など)の獲得によって実効税率を引き下げるが、そうした税便益を獲得するために既存の投資計画を変更しようとするという明示的な証拠は得られなかったということである。
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自発的ディスクロージャーの実証的研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
伊藤 邦雄, 中條 祐介, 中野 誠, 竹口 圭輔, 加賀谷 哲之, 野間 幹晴, 川島 健司, 矢澤 憲一, 米谷 健司, 円谷 昭一
2008年
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2010年
課題番号:20330094
配分額:18200000円
(
直接経費:14000000円
、
間接経費:4200000円
)
本研究の狙いは、企業の自発的開示がもたらす経済効果を実証的に検討することにある。検討にあたっては、経営企画担当者や情報開示担当者に対する質問調査の実施、非財務情報の開示実態調査、アナリストへの質問調査、開示スコアの測定などのデータベースを構築した。財務情報の有用性が時系列では相対的に低下する中で、優れた自発的開示には(1)リスク緩衝効果、(2)無形資産伝達効果、(3)業績予想達成効果などが存在することが、我々の検証の結果、確認された。
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会計利益と課税所得の差額に関する実証的・実態的研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業 若手研究(スタートアップ)
米谷 健司
2006年
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2007年
課題番号:18830045
配分額:2300000円
(
直接経費:2300000円
)
本年度は、会計利益と課税所得の差額(Book-Tax Differences:BTD)の情報内容を明らかにするために、とりわけ2003年度の研究開発税制の導入に焦点を当て、それによる税便益と株価の関係を分析した。まず、医薬品企業をサンプルとし、その税便益が財務指標をどの程度改善させたのか、それに伴って予想利益や株価は変化したのかを分析した。その結果、財務指標への影響は大きいが、税制変更の前後で予想利益や株価に一貫した変化を確認できなかった。これは19th Asian-Pacific Conference on International Accounting Issuesにおいて、"Did the Japanese 2003 Tax Reform Act of R&D Tax credit affect firm's value?-The case of Japanese Pharmaceutical firms"という題目・で報告した。また、サンプルを全製造業に拡大し、研究開発税制の効果と株価の関係を企業規模の相違に着目して分析した。研究開発税制による便益は大企業ほど大きいが、変更の前後で株価に一貫した変化を確認できなかった。これはThe 4th International Conference on Innovation & Management(ICIM)において、"The R&D tax credits andfirms'valuation"という題目で報告した。さらに、税制変更による企業行動の変化とそれに伴う予想利益および株価の変化の関係を明らかにするために、市場で暗黙的に設定される資本コストと研究開発税制による税便益の関係を分析した。その結果、税制変更の前後で資本コストと税便益の関係が変化した可能性があることを確認した。これは『産業経理』に「研究開発税制と資本コスト」という題目でまとめた。
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