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高等教育における「リバース・ジェンダー・ギャップ」現象―東南アジアの国際比較
日本学術振興会
科学研究費助成事業
鴨川 明子, 服部 美奈, 塩崎 裕子, 市川 誠, 森下 稔, 羽谷 沙織
2022年4月
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2026年3月
課題番号:22H00975
配分額:17030000円
(
直接経費:13100000円
、
間接経費:3930000円
)
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養成のための宗教者移動の研究-アジアのカトリック聖職者養成センター・フィリピン
日本学術振興会
科学研究費助成事業
市川 誠
2021年4月
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2024年3月
課題番号:21K02302
配分額:1950000円
(
直接経費:1500000円
、
間接経費:450000円
)
COVID-19感染抑止のための渡航制限からフィリピンでの現地調査を行うことができず、日本国内からインターネットを通じた調査・資料収集のみ行った。
周辺国からフィリピンへ移動してくる宗教者を多く受け入れているとみられる神学校をリストアップし、各校のウェッブサイトなどから得られたデータを分析した。これに基づき、各校を次の諸点でカテゴリー分けした。すなわち①設立母体が修道会か否か、②主な目的が司祭養成か否か、③寮や奨学金など就学支援の有無といった特徴での分類を行った。
またこのうち1校では就学者の出身国などの属性データを得ることができた。それによると2010年代を通じてフィリピン人以外の学生ではアジア出身者が多く、なかでもベトナム出身者が3分の1から5分の1と抜きんでており、かつ増加傾向にあった。またミャンマー出身者も増加傾向にあった。一方インドネシアとインド、韓国、中国の出身者も常に一定割合を占めたが増減の傾向は確認されなかった。これらの結果は、フィリピンへの宗教者の移動のトレンドを今後究明していくための作業仮説と位置づけられる。また最終年度に実施を検討している送り出し国調査の対象国選定の参考となる。
また上記の他、アジアの神学ならびに宣教に関して近年の論点・課題を把握するため先行研究の収集・整理を行った。これは次年度以降に開始予定の神学校での収集資料を分析するための視点や基準を構築する準備作業と位置づけられる。
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アジアの女子教育におけるフランス系修道会のSaint Enfance概念の影響
日本学術振興会
科学研究費助成事業
佐々木 裕子, 遊佐 重樹, 市川 誠, 大迫 章史, 坂野 正則
2021年4月
-
2024年3月
課題番号:21K00071
配分額:4160000円
(
直接経費:3200000円
、
間接経費:960000円
)
本研究はSaint Enfanceという、近代以降日本をはじめアジア諸地域にフランスから入ってきたカトリシズムの宣教会及びその影響下で教育事業を展開したフランス系修道会によってもたらされた概念でもあり、かつ、フランス市民のムーブメントであったこの言葉に注目し、これらの概念や活動が日本やアジアの諸地域でどのように展開をし、変容したかについて検討しようとするものである。特にパリ外国宣教会が当時、その拠点としたアジアの地域(ヴェトナム、香港・マカオ、フィリピン)と日本におけるこれらフランス系修道会の教育実践を比較することを目的としている。
それゆえ、アジア各地における共同研究者との協働により、これらについて調査・検討を実施、また、各々が持つ資料のデジタル化及び比較検討などをする予定であったが、本年度においても新型コロナウイルス感染症の影響はおさまらなかったため、実際に現地を訪ねての調査の実施はできなかった。国内調査についても同様で、あいにく時期的に移動が奨励されない時期と調査が重なってしまったため、実施は断念せざるをえなかったのが実状である。 一方、今までの共同研究において協力関係を培ってきた研究者からの成果物などを得、実際には海外渡航は難しかったが現地でのこれらの問題の理解について深めることができた。
また、次年度の調査研究に備え、従来の共同研究での資料整理とデジタル化を計画していたが、こちらも新型コロナウイルスの感染拡大による入構制限などがあり、狭い作業場での共同作業ができなくなったことからアルバイトなどを使った作業を断念せざるをえない状況となり、限られた資料の中での検討と成らざるを得なかった。
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近代アジアと日本の女性の社会観の形成における国際教育修道会の影響に関する比較研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業
佐々木 裕子, 市川 誠, 大迫 章史, 坂野 正則
2018年4月
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2023年3月
課題番号:18K00082
配分額:4420000円
(
直接経費:3400000円
、
間接経費:1020000円
)
本年度に引き続き、新型コロナウイルスの世界的感染拡大が続いたことから、本研究の中心的作業として実施が予定されていた海外アーカイブ調査や国内面接調査は基本的に断念せざるを得ない事態となった。それに加え、海外研究協力者たちの属する関連大学及び大学病院の建物が超大型台風タイフーン・ライ(現地名:タイフーン・オデッサ)の被害で倒壊する事態となってしまったため、現地研究者たちもその復旧作業及び現地の被災者支援に追われ、本研究に従事することが実質上、不可能となった。とりわけインターネット等の通信関係インフラの被害が甚大であったため、想定されていたネットによる会議も難しい状況が続くこととなったが、通信環境がうまく整った時を利用して、断片的・部分的にではあるが打ち合わせを実施することができた。
一方、デジタル化を進めている資料整理作業においては、新型コロナウイルス感染症対策に関する入構制限等のため、外部のアルバイト要員による作業(機器及び資料が保管されている狭い研究室での長時間の打ち合わせや編集作業)がほぼ不可能となった。しかしながら、現物とのすりあわせをしないかたちでの調整作業を実施し、次年度への計画の見直しと共に見通しを立てることができた。なお、国内の研究協力者たちとの関連文献の翻訳案の検討及び修正に関わる議論などは、距離的な問題・年齢的な懸念などもあり、国内であっても対面で進めることはできなかったが、通信環境を工夫するなどして少しずつではあるが実施できた。
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19世紀のアジアと日本におけるフランス系宣教会及び修道会と教育に関する比較研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業
佐々木 裕子, 釘宮 明美, 中井 珠子, 西村 亜子, 市川 誠, 大迫 章史
2013年4月
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2016年3月
課題番号:25370074
配分額:4940000円
(
直接経費:3800000円
、
間接経費:1140000円
)
19世紀の日本におけるカトリシズムに基づく教育事業はフランス系修道会の影響下のもとに進められてきたことが知られているが、フランスからの直接の働きかけだけでなく、すでに行われていたアジア各地での教育・福祉の実践を経て、日本での教育事業にかかわったケースが少なくない。本研究では、自然災害や戦争などによって失われた日本におけるフランス系修道会の教育に関する各種資料を、フランス本国やアジア各地の古文書館等との連携によって調査収集し、一部をデータベース化することにより、日本におけるキリスト教女子教育を包括的に研究する土台を構築すると共に、国際共同研究歴史の新たな側面を明らかにする可能性を開いた。
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環太平洋地域における移住者コミュニティの動態の比較研究――近年の変遷に注目して
日本学術振興会
科学研究費助成事業
栗田 和明, 三島 禎子, 杜 国慶, 市川 誠, 水上 徹男, ファーラー グラシア, 大橋 健一, 市川 哲
2011年4月
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2015年3月
課題番号:23251023
配分額:19630000円
(
直接経費:15100000円
、
間接経費:4530000円
)
環太平洋地域では種々の移民コミュニティが形成されている。華人や在外インド人のコミュニティだけではなく、日本人、東南アジア各地から発した人々、東南アジアにやってきたアフリカ人もみられる。また、華人についても種々の人々が多様な社会を形成している。
本研究では同地域の移民コミュニティの多様さ、近年の変化の大きさについて、具体的な事例研究に基づいて提示した。コミュニティの大きな変化と多数の移動する者を支える背景として、交通、運搬、通信、送金の便が向上したことが挙げられた。また、長期間居住する移住者ではなく、短期間の滞在を頻繁に繰り返す「頻繁な移動者」に注目したコミュニティの描写への試みがされた。
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外国籍児童生徒の就学義務に関する法的基盤と制度的支援の国際調査
日本学術振興会
科学研究費助成事業
所澤 潤, 中田 敏夫, 入澤 充, 小川 早百合, 古屋 健, 江原 裕美, 澤野 由紀子, 志賀 幹郎, 山口 陽弘, 田中 麻里, YOFFE Leonid.G, 服部 美奈, 山崎 瑞紀, 日暮 トモ子, 猪股 剛, 小池 亜子, 小室 広佐子, 近藤 孝弘, 三輪 千明, 市川 誠, 音山 若穂, 前田 亜紀子, 徳江 基行, モラレス松原 礼子, 佐藤 久恵, 林 恵, 清水 真紀, 福田 えり, 白石 淳子
2011年11月
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2014年3月
課題番号:23402059
配分額:11440000円
(
直接経費:8800000円
、
間接経費:2640000円
)
ドイツ、イタリア、チェコ、ブラジルは、学齢児の就学義務を設定している。ドイツとイタリアでは子供は社会の責任で国籍に拠らずに最低限の教育を受けさせねばならないという考えがあり、また、4国には、居住する子供を国籍で判別することが技術的に困難であるという共通の事情がある。それに対して、中国、韓国、台湾、タイでは、日本と同様、国家は自国民の子供に対してだけ就学/教育義務を課すという考えが主流である。
いずれの国でも教授言語を習得させる特別な教育が設定されているが、並行して母語保持教育を実施する点についてはいずれの国もほとんど制度化が進行していない。
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ASEAN諸国における市民性教育とアセアンネスのための教育に関する国際比較研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業
平田 利文, 渋谷 恵, 森下 稔, 鈴木 康郎, 石村 雅雄, 手嶋 將博, 長濱 博文, カンピラパーブ スネート, 池田 充裕, 乾 美紀, 鴨川 明子, 中田 有紀, 羽谷 沙織, 竹熊 尚夫, 市川 誠, 服部 美奈, 牧 貴愛, 牧野 絵美
2010年4月
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2014年3月
課題番号:22252007
配分額:34190000円
(
直接経費:26300000円
、
間接経費:7890000円
)
本研究では,第一に,アセアン10カ国における市民性教育の現状・課題・展望について,政策・計画・カリキュラムなどの文書分析,小・中・髙の児童生徒への市民性に関する意識調査,及び学校長,市民性教育を担当する学校教員及び大学教員,市民性教育関係の指導主事,PTA会長などの有識者を対象にしたデルファイ調査(未来予測調査)により解明した。第二に,2015年までにアセアン共同体の創設のために構想されているアセアンネス(ASEANness)のための教育を明らかにした。そして第三に,アセアン各国に対し市民性教育モデルとアセアンネスのための教育モデルを提言した。
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キリスト教教育の日本における変容-教育を媒体とした外国修道会の影響を中心に(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
佐々木 裕子, 星野 正道, 市川 誠, 片山 はるひ, 夏秋 英房
2007年
-
2009年
課題番号:19520065
配分額:4550000円
(
直接経費:3500000円
、
間接経費:1050000円
)
日本におけるキリスト教教育の中でも、主として外国修道会を母体として発展してきたカトリシズムにおける教育実践について、基礎的調査・研究を行った。修道会会員の急速な減少などによって散逸しつつある資料を収集・整理すると共に、母体である修道会とそれらが関わる教育実践や地域との関係について、また、新しい時代を迎え、それらの学校の新しい担い手の養成の課題への対処の仕方が、教育実践及び教育内容の変化をもたらしていることが明らかになった。
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世界の公教育で宗教はどのように教えられているか-学校教科書の比較研究- (研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
藤原 聖子, 星野 英紀, 小峰 彌彦, 渡邊 直樹, 弓山 達也, 島薗 進, 寺戸 淳子, 川瀬 貴也, 矢野 秀武, 西野 節男, 市川 誠, 宮崎 元裕, 久保田 浩, 伊達 聖伸
2006年
-
2008年
課題番号:18320019
配分額:10170000円
(
直接経費:8700000円
、
間接経費:1470000円
)
10 カ国(イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、トルコ、インド、タイ、インドネシア、フィリピン、韓国)の学校で使われている宗教の教科書を翻訳し、それぞれに対する解説論文を加えて、電子書籍(DVD)の形態で出版した。公立学校に宗教の授業がある国の場合は、その授業で用いられる教科書、ない国の場合は、歴史や公民等の教科書から宗教に関する記述を抜粋して翻訳した。対象教科書は計42冊、解説をあわせての総ページ数は4,586ページである。
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東南アジアの初等教育段階における英語教育の受容と母語教育への影響(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
池田 充裕, 市川 誠, 手嶋 將博, 奥村 真司, 鈴木 康郎
2006年
-
2007年
課題番号:18530659
配分額:4050000円
(
直接経費:3600000円
、
間接経費:450000円
)
1.研究会の開催…2007年6月2日に第2回の研究会合を開催した。研究分担者は、昨年度の各国現地調査の結果を報告し、日本比較教育学会での発表内容や研究成果報告書の執筆内容について検討した。
2.追加調査の実施_…これまでの現地調査から、各国の初等英語教育の現状を以下の通り報告する。 (1)タイ(鈴木)…「1996年英語教育カリキュラム」から英語が小学校で教科として導入され、「2001年基礎教育カリキュラム」(05年度完全実施)で英語は小学校第1学年から必修となった。私立学校では「1996年英語教育カリキュラム」以前から英語教育に力が入れられ、1998年からイングリッシュ・プログラム(EP)も展開されている。EPでは英語、算数等の一部の教科で英語を用いて授業を行っている。
(2)マレーシア(手嶋)…2003年から算数・理科を英語で教える授業が全国の小学校に導入され、教員・児童の学習負担が著しく増大し、言語科目や理数科目で学力格差が広がることが懸念されている。また英語能力によって教員間の待遇にも差が出始めており、教員養成・研修体制の整備・充実が急務である。
(3)シンガポール(池田・奥村)_…SEED-EL(英語学習における生徒のより効果的な学び方研究)プログラムを実験校において開発中で、2008年から全国の小学校に導入する予定である。実験校では大型図書を用いた読み聞かせ相互学習、劇化プログラムなどの先進的な試みがなされている。
(4)フィリピン(市川)_…2003年に『教育制度における教授言語としての英語使用の強化方針設定」を発し、これまでの国民統合のためのフィリピノ語教育重視の立場から、グローバル化に対応するための英語教育重視への回帰が鮮明となった。英語教員には各種の研修や能力試験が課せられ、教科書・教材の改訂も進められている。
3.研究成果報告書の提出_…報告書では各国について、初等英語教育政策の歴史的経緯や教科書・教材、教員研修制度に関して概要をまとめ、現地調査の結果から授業実践の具体的事例を詳細に解説した。
4.学会での研究成果の発表_…日本比較教育学会第43回大会で、経過報告を行った。来年度の第44回大会では、報告書や映像DVDを配布し、最終報告を行う予定である。
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フィリピンにおける異文化理解教育としての宗教教育の実証的研究
日本学術振興会
科学研究費助成事業
市川誠
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日本におけるキリスト教教育の宗教的変容に関する基礎研究-カトリシズムを中心に(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
佐々木 裕子
2005年
-
2006年
課題番号:17520059
担当区分:研究分担者
配分額:3200000円
(
直接経費:3200000円
)
本研究では、従来、ほとんど手がつけられてこなかった日本におけるカトリシズムに基づく教育実践とその思想的背景となっている教育修道会・宣教会・教区・諸団体に関する歴史的資料について包括的に収集し、データベース化することを試みた。具体的には各学校の歴史資料に関するアンケート調査を全国のカトリック系の教育機関(小・中・高・専門学校・短大・大学)に実施し、また現在、入手可能な歴史資料の収集も同時に行い、そのデータベース化を行った。
また、日本のカトリシズム教育に関しては、プロテスタント教育の場合とは異なり、文献資料が限られていることから、主な学校及び教育修道会における聞き取り調査(北海道・東北・九州・関東)を併せて行い、各学校の草創期における地域社会との関わり及び修道会本国との関係についての確認作業を行った。それにあわせて、日本におけるカトリシズム教育の展開、及びその変容、さらには多文化社会において教育現場にたつ教員たちがその教育実践の中で直面している、宗教教育の現代的な課題について、個別の面接調査に加えて、宗教教育担当者たちの研究会等での参与観察を行い、検討した。
国際教育修道会に関しては、他国における実践例、とりわけフィリピンを母体とする修道会について、本国における教育実践との比較を行うための基礎資料の収集をフィリピンにて行った。
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東南アジアにおける環境教育の実態に関する実証的比較研究(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
手嶋 將博, 池田 光裕, 市川 誠, 鈴木 康郎
2004年
-
2005年
課題番号:16530550
配分額:3000000円
(
直接経費:3000000円
)
本研究では、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピンという4ヶ国において、(1)フォーマル/ノンフォーマルな環境教育の枠組み、(2)仏教、キリスト教、イスラーム等といった価値規範の反映の状況、(3)環境教育カリキュラム、教科書・教材、教育方法等における(1)国際的な共通点(グローバルな環境意識)、(2)民族の伝統文化や宗教など価値教育の視点(文化的環境観)からみた相違、(3)教育方法における異同、といった三点から比較・考察を行い、東南アジアの環境教育の現状と課題を明らかにした。
学校教育では、各国とも社会科・理科を中心とした横断的カリキュラムを展開。ノンフォーマルなNGOの活動は、学校教育の補填として体験的な環境教育に利用されている。
教科書・教材では国際的に共通した教材とともに、タイでは仏誕節などの仏教的行事や各地方の自然信仰等、マレーシアでは「神の創造物としての環境」「環境に対する人間の責任」等のイスラーム的価値といった、環境に対する宗教道徳的価値を扱った内容・記述が色濃く見られる。フィリピンでも、道徳の教科書などに「環境=神の創造物」という記述が見られる。シンガポールは多民族・都市国家のためか、環境に関わる価値的・情感的な記述は少ない。
体験重視・批判的思考力を重視する教育方法は、各国共通の部分が多く、世界標準的なアプローチといえる。しかし、各国・地域の生活に密着した教材を扱い、子どもたちに体験・探究させる方法は普及しているが、各国の文化的・宗教的価値観については単に教条主義的な扱いも目立ち、各国・地域教材を通して学ぶ環境意識が、グローバルな環境意識へと拡大するための有効な促進要因として必ずしも機能しているとはいえない。
また、政府機関とNGO・NPO等の民間組織の結びつきや、政府のコントロールが極端に強い事例もあり、国家にとって都合のよい環境教育のみが部分的に強調される危険性もある。
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キリスト教学校における平和教育の実証的研究
立教大学
立教大学総合研究センター プロジェクト研究
市川誠
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キリスト教教育における平和教育の研究
立教大学
立教大学総合研究センター プロジェクト研究
市川誠
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高等教育における宗教の扱いに関する日韓比較(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
井上 順孝, 佐々木 裕子, 市川 誠, 磯岡 哲也, 岩井 洋, 田島 忠篤
2002年
-
2003年
課題番号:14510033
配分額:3700000円
(
直接経費:3700000円
)
1.ワークショップの開催:平成14年6月の「宗教と社会」学会第10回学術大会において、「宗教教育の日韓比較-公教育において"宗教"をどう扱うか-」というテーマを掲げ、海外協力者を含む研究組織メンバーによりワークショップを開催した。ここでは、平成2年以来続けてきた宗教教育に関する長年の実証研究をふまえ、公立学校における宗教に関する教育の可能性として、従来の宗教知識教育、宗教情操教育を止揚して、「宗教文化教育」というものの提起を行なった。昨今の著しい情報化、グローバル化を鑑み、異文化として宗教を扱うことへの意義が議論された。詳しい内容は、『宗教と社会』別冊(2003年)にまとめられている。
2.学生へのインタビュー調査:以前の研究では、日本と韓国の学生、双方に対する量的調査(アンケート調査)により、宗教意識の相違を探ってきたが、今回は質的な調査(インタビュー調査)により意識の相違の分析を試みた。平成15年2月には日本において、そして3月には韓国において、それぞれの国の大学生に、家族の宗教的背景から自分が受けてきた宗教教育の内容、そして宗教あるいは宗教教育に対する考え方などをインタビューした。その結果、宗教に対して日本の学生よりもはるかに肯定的な韓国の学生たちは、自分の受けてきた様々な宗教教育に対しても積極的に評価していることや、彼らの宗教観においては母親の宗教が大きな影響を及ぼしていることを確認した。
3.本の共同刊行に向けての日韓合同会議:平成14年6月、平成15年3月及び平成16年2月、日韓の研究組織メンバーが集まり、日韓の宗教教育に関する本の刊行について、各論文の締め切りを平成16年秋として、論文担当者による具体的な内容の協議を行なった。
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公立学校への宗教教育導入の可能性と宗教団体の役割
立教大学
立教大学研究奨励助成金
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宗教教育の日韓比較(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
井上 順孝, 岩井 洋, 市川 誠, 磯岡 哲也, 津城 寛文, 佐々木 裕子
2000年
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2001年
課題番号:12610031
配分額:3600000円
(
直接経費:3600000円
)
1.学生宗教意識調査の実施:日韓の宗教教育比較のために平成12年度には、日本と韓国の大学生・専門学校生を対象にした宗教意識に関するアンケート調査を行ない、日本の42の学校で6,483名の有効回答、韓国では12の学校で2,160名の有効回答を得た。調査結果から、相違点として、日本よりも韓国の方がはるかに宗教に対して肯定的だということがあり、共通点としては、オカルトや超常現象、占いなどへの高い関心と、約半数の者が先祖祭祀など民俗宗教への関わっているということが見いだされた。これらの結果は『日韓学生宗教意識調査報告』として日本語と韓国語で公刊した。平成13年度には、日本でのみ学生の宗教意識調査を実施し、38の学校で、5,759名の有効回答を得た。その結果、宗教への関心が低いことや、約半数の者が宗教的習俗に関わっているということなどの現状を再確認した。さらに、今後は日韓学生の宗教意識の相違を質的に調査するために、韓国において学生に対する面談調査を計画している。
2.日韓国際シンポジウムの開催及び本の共同公刊に向けての日韓合同会議:平成13年2月に、本研究のメンバーが主体となって韓国釜山市にある東西大学校にて国際シンポジウムを開催した。日韓の宗教学、教育学、社会学などの研究者により、日本と韓国における宗教教育の歴史と現状の比較考察を行なった。「平準化」とよばれる韓国独特の教育制度の持つ問題や、実際に行なわれている宗教教育の報告、学生宗教意識調査の分析報告など多方面からの発表がなされ、日韓双方が抱える課題や相違点などが討議された。その後10月末に韓国において、2月のシンポジウムで討議された内容を基にして、日韓の宗教教育に関する本の刊行計画が話し合われた。具体的な目次案に沿って論文の担当が決められ、本の共同執筆および公刊に向け準備中である。
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フィリピンの公教育と宗教
日本学術振興会
科学研究費助成事業(研究成果公開促進費)
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現代日本における宗教教育の実証的研究(研究分担者)
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
井上 順孝, 岩井 洋, 市川 誠, 磯岡 哲也, 津城 寛文, 佐々木 裕子
1998年
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1999年
課題番号:10610029
配分額:3400000円
(
直接経費:3400000円
)
1.学生の宗教意識調査の結果:全国の大学・短期大学・専門学校のうち、73校を調査対象とし、10,941名の学生の宗教意識調査を実施した。調査は4月から6月にかけて行われ、10月にその結果を小冊子として刊行した。これによると、信仰をもっている人は、全体の7.9%、非宗教系学校では6.3%である。しかし、信仰はもたないが、神仏の存在は約2割が信じており、ありうるという人を含めると5割を越す。霊魂の存在になると、約6割に達する。日本人の宗教への関わりは、たんに宗教所属だけでは理解できないということが明らかになった。また、宗教への関心より、超常現象・オカルト・占いなどへの関心の方が、かなり高いこともわかった。
2.学生の宗教意識調査の日韓比較:韓国の研究者の協力を得て、国内の調査とほぼ同趣旨の調査を、韓国で実施した。調査対象は7大学、1,010名の学生である。日韓の調査結果を比較すると、宗教を信じている割合は、韓国人学生の方がずっと多く、45%にのぼった。信仰している宗教の内訳は、韓国ではキリスト教が約3分の2を占めるが、日本では新宗教が多く、それに次ぐのが仏教である。ただ、韓国でも家の宗教としては、仏教が最も多く、宗教所属に関する世代ごとの差が大きいようである。また、日本では宗教のイメージがかなり悪いが、韓国では宗教の必要性を感じている割合が高い。超常現象・オカルトなどへの関心は、日本同様高かった。宗教所属では大きな違いがあるものの、宗教や関連する事柄に関する意識には似通った面も見られる。今回の調査結果は、今後の比較錮査の足場としても、貴重なデータとなるであろう。
3.日韓研究者会合:韓国側から韓国での初等・中等教育における宗教教育に関する現状報告を得た後、討議を行なった。また、調査結果をふまえ日本と韓国における「宗教」イメージの遠いについても知見が得られた。
researchmap
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多文化教育としての宗教教育―アメリカ植民地期フィリピンの事例―
民間財団等
庭野平和財団
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フィリピンの基礎共同体の開発・教育における役割
民間財団等
庭野平和財団